餅は餅屋で
会社の天井の電燈がチカチカ、ウルウルして、球を入れ替えても改善しない。なじみの電気屋もないし、大した事でもないので、電球を抜いてしばらく放っておいた。ふと思い出したのが、甥で電気工事店に勤めている子?(自分から見れば・・・)であった。ダメ元を承知で頼んでみたところ即、快諾してくれ休日にも拘らず すっ飛んできた。腰に道具一式を巻き付け、身軽に脚立に登る。ブレーカーを落とし漏電検知器で確認しつつ、ドライバーで器具を外していく。むき出しになった配線の先に一本一本絶縁テープを巻き付けている。ブレーカーを落としているのだから絶縁テープは不要では?と言うと、以前に工事中と知らないで、他の者がグレーカーを戻してしまい、大事になったことがあるという。上司から毎回口酸っぱく言われ、習慣化しているらしい。いとも簡単に修理を終わらせて、最後に蛍光灯を2本取り付けていく。ここにも職人のこだわりがあり、2本の蛍光灯の刻印を並べて取り付ける。ぱっと見上げた時に文字が並んでいる方が綺麗やろ!と言う。なるほど・・・使う人の気持ちも考える。いい教えだ。腰の道具も自前で調達していると言う。自分で出費しないと、物の有難味も価値もわからず、粗末に扱うことになるというのが会社の方針であるらしい・・・2.30分で終わらせ、お代は要らぬと足早に帰って行った。赤子の時から知っており、やんちゃで逃げ足の速いことだけが取り柄だったのに、今は逞しく自分の腕で生きている。この成長がとても嬉しく、なななか考えさせられた一軒だった。餅屋に幸多かれと思う。